うちの主人の唯一の趣味はアボカド生育です。
東京から15年前につれてきた紀伊国屋生まれのアボカドは、こちらの寒さにも負けずにすくすく育っています。地元っ子の仲間も増えて、何本かは里子にだし ました。日々成長していくアボカドとお客様の声にはげまされ商いを続けてきましたが、この度私のページを作るにあたり、皆様に香嶽楼の成育をお知らせし、 見守っていただけるよう、このブログを『アボカド通信』と名づけました。
村山 美枝子
2006年
オーストラリアから航空便が届いた。
送り主はウィリアムさん。
先月12泊してくださったこの方は
いつもいつもとびっきりの笑顔で、スタッフから「にこにこサン」と呼ばれて
ちょっと困ったことなんかがあっても、
彼女に会うとみんなが笑顔になり、館内を明るくしてくれたお美人さん。
その彼女からのエアメール、
開けてみたら、
包まれていたものは、
西オーストラリアの野生の花々、と書かれたパッケージ。
彼女の、飾らないけれど、眩しいばかりの笑顔のようなコースター。
こんな素敵なプレゼントで、また、私を幸せにしてくれたMs,Happy,
Thank you again for making us so Happy.
We are looking foward to see you and your friends someday again.
京都のDさまは、いつもこの時季、
美味しいお菓子とともにやって来て
まだ、雪におおわれている赤倉で
冬に倦んでる私たちに、
春を最初に届けてくださる。
今年、いただいたお菓子は
笹屋伊織の、
「さくら」。
あっさりとした餡に、さくらが香り
すっかりと心は、春。
久しぶりにお茶道具を出して、
お抹茶をいただく気分にさせて頂きました。
今日も元気に、丁寧に。
夕方、町を歩くと、まるで外国にいるようだ、というくらい
今季の赤倉には海外からのお客様がたくさんいらして下さいました。
多い時は日本人は2割しかいない、なんてこともあり、
ウチのスタッフも、英語にどきどきしながらも、
身振り手振りでコミニュケーションを図る姿を目にすることもしばしば。
いまでは見なれた、そんな光景も、外国人が珍しかった10数年前、
ひとりの男性からかかってきた予約の電話。
20名様くらいのグループだとのことで
夜中のご到着を迎えてみれば、日本在住のガイジンサマご一行でした。
当時も(今も)英語をしゃべれるのはワタシだけなので
彼らが何かを言うたびに、全館放送で呼び出される始末。
あたふたしながらも無事ご滞在いただき、トモダチノトモダチからの予約もあり
その後もずーーっとお付き合いは続いています。
しかしながら、転勤といえば海外をさす彼らですから、
あいつはあそこ、こいつは今度はあそこ、と
あちらこちらに散らばりながらも
SNSで、絶やさず連絡をくれます。
今回来てくれたMさんも、そんな一人。
男友達とくる彼の横に、かわいらしい女の子が混じってきて
そのうち2人でくるようになり、結婚、そして急に決まった転勤先はテキサス。
一年に一度はここに帰ってくるよ、と、笑顔で出発。
出会いと別れは縄目のようで、
昔ほど“今生の別れ”ではなくなったけれど
見送ったあとは、ほろりとします。
世界は狭くなったけれど、やっぱり遠いよね。
でも、いつもいつも心の中にある『香嶽楼』でありたいと
Mの大きく振っていた手を見て思ったのでした。
Have a nice trip back to Texas,Matt.
I am looking foward to see you again!
今回5泊なさったTortnelaさんは
チャーミングな奥様と、
ちょっとコワモテだけど、シャイな旦那様。
お帰りのときに手渡してくださったのが
「KOTHON」というラベルの、きれいなボトルの
なんと、オリーブオイル!
奥様のご兄弟がつくってらっしゃるというそれは
ひとつひとつ手摘みして、大切に搾り、
ボトルのデザインもご自身でなさったそうです。
お皿にいれると、とろーりとして
ピリッとスパイシーな香りが口中に広がり
「果実を搾った」という感じの逸品です。
こんな家族への愛がつまっているお土産って
本当に素敵。
さあ、今夜は美味しいワインをあけて
Tortonella familyに乾杯しよう。