うちの主人の唯一の趣味はアボカド生育です。 東京から15年前につれてきた紀伊国屋生まれのアボカドは、こちらの寒さにも負けずにすくすく育っています。地元っ子の仲間も増えて、何本かは里子にだし ました。日々成長していくアボカドとお客様の声にはげまされ商いを続けてきましたが、この度私のページを作るにあたり、皆様に香嶽楼の成育をお知らせし、 見守っていただけるよう、このブログを『アボカド通信』と名づけました。
村山 美枝子 2006年
広間に三味線の音が響きます。
今年で5年目を迎える『慶應義塾大学長唄研究会』の夏合宿です。
杵屋先生ご指導の下、生徒さんがたは大げさではなく
本当に、朝から晩まで練習に励んでいます。
学生の熱意に、お師匠さんの指導も力が入ります。
この夏、真剣に弾いた三味線の音は、あなたの一生の宝物になるでしょう。
いつか辛く苦しいとき、三味線の音を耳にして、香嶽楼ですごしたこの夏を想いだして、がんばれるといいね。
秋風そよぐ天心堂に、わらわらと、人が動く。
そう、
九月四日、天心茶会。
江戸千家家元がお立てになったお茶を
天心さまに御献茶いたします。
笛の音も、透き通る空気に運ばれ、
天心さまの元へ、届くでしょう。
岡倉天心先生が亡くなったのは、大正二年九月二日、
ここ赤倉の山荘でした。
先生が愛したこの地で、ご法要を毎年いたします。
晴れわたる空の色も、夏の盛りを越え、
野に咲く花は萩・おみなえし・ススキと秋の色。
はるか昔を偲びつつ、
美味しくお茶をいただきました。
明日は『天心茶会』が開催されます。
天心茶会 九月四日 土曜日
献茶 午前九時
茶席 午前十時より午後二時
席主 江戸千家 家元 川上宗雪
二席 2000円
場所 赤倉天心山荘
特別な申し込みは必要ありません。
どうぞ高原の涼やかな風の中、日ごろの喧騒を忘れ、
ゆっくりとお茶をお召し上がりにお出かけください。
関東在住のT様は、香嶽楼歴40年。
最近はお孫さんとご一緒の御来館で、
Y君もすでにしっかり香嶽楼の常連リストに名を連ねております。
今回お見送りができなかったら、こんな素敵なカードが置いてありました。
開くと、
こちらこそ、
ありがとうございました。
ご来館される度に大きく成長する姿に、
香嶽楼の歩みを重ねます。
はにかむ笑顔が、いつのまにか、すっかり少年になり、
そしていつか青年になっていくのを、私たちも見せていただけるのでしょうか。
楽しみに、楽しみに、
お待ちしております。
工房塾の鑑賞会の最後にお茶会が開かれました。
東京藝大の大西博准教授が製作中のふすま絵の前で、
先生がお作りになったお道具を使っての茶会です。
生徒さんがたも集まり、気楽な浴衣茶会ですが
裏千家・生稲宗美先生の涼やかな『葉蓋』のお手前で、
夏の暑さを忘れさせていただきました。
ラピスラズリの青と白田切川の名水の色が
皆様の、のどと心を潤したひと時でした。
今年で8回目になる芸術工房塾。
東京藝術大学の学生たちが赤倉で制作活動をしています。
生で見る絵画は迫力があり、制作に打ち込む若者の姿に感動します。
アトリエは、温泉街に面した土産物屋の3階。
光あふれる空間の中で
涼やかな風が、ゆっくり時を動かします。
まっすぐな瞳に、忘れかけていた夢を思い出し、
ひたむきな背に、心、洗われます。
開催は9月31日まで。
どなたでも見学できますので、是非お出かけください。
昼はさすがに暑いけれど、
朝夕に吹く風には秋の匂いがまじる。
いもり池は睡蓮に蔽われ、
ひつじ草がケケケと鳴く声が聞こえそうな風情。
ぽちゃんという音にふりむけば
蒼い水かきと甲羅の残像。
暑さを避けて、水底に沈んでいたモノたちが
そろりと戻り始めたか。
池の外はススキの海。
誘い誘われ、気づけば宵に、高い満月を愛でる。
ピチピチと、水面が騒ぐ。
何かな、何かな?
おやおや、
あの葉っぱのうえのテンテンは・・・
おお、
モーリー’s!!
まだ、シッポが残っているオクテちゃんもいます。
身体の成形が進むにつれ、
緑色が鮮やかになるようです。
もう少ししたら巣立って行ってしまうのでしょうが、
今しばらく楽しませてオクレね。
昨日『平和の祈り』のオープニング式典が妙高高原メッセにて開催されました。
たっくさんの人々。
あっ、
シャチョー!
テープカット、始まりますよ~!!
平山先生のご夫人の美知子さんも御出席くださり、
和やかな雰囲気の中、県知事・佐川美術館長・妙高市長とともに
テープカットが行われました。
妙高にとっては、特別な想いのこもった展覧会です。
9月5日までの開催です、是非お出かけください。
1985年8月12日、夕刻を過ぎているのに暑さは収まらず
汗をびっしょりかいていた。
呉市の友人宅からの帰り、羽田空港に降り立つとやけにざわめいていたけれど
前日連れて行ってもらった宮島で買った、お土産の紅葉まんじゅうが嬉しかった。
当時住んでいた杉並・永福町に戻り、ニュースで日航機の事故を知る。
実に25年ぶりに頂くもみじまんじゅうは
苦いような、甘いような、切ない思いのあの空を運んでくる。
当時はなかった色々な味。
そっと割ると、ふうわりとしたカステラ状の皮から、夏がとけでる。
口に含むと、あの夏の味が、たしかに、した。