季節ごとに食べたいものが変わるというのは
どこの国でもある事だけど
ニッポンジンでよかったーー、と思うのは
こんな看板を見つけて心躍るとき。
ここは加茂にある140年の歴史を誇る「善作茶屋」。
おりしも、長い冬季休店を終え、待ちに待った開店の日。
「今開けるっけね~、ちょっと待ってなぁ~」。
はいはい、待ちますともさ。
店の横にはバスの停留所。
停留所名にもなっていた。
お待たせー、といってお母さんが店先で切る。
冷たい湧き水で作ったところてんは、
うすく透きとおり、男前の顔をしているのに
お母さんの手からお皿に生み出されたものは
こんなにも艶っぽく、なまめかしい美しさ。
程よい冷たさと、ほのかな磯の香りが
するすると喉に落ちていく心地よさ。
あぁ、わたし、ニッポンジンでよかった、と思えたおやつのひと時。
本日も美味しい時間、ご馳走様でした。