あまりご存知の方はおられないかもしれないが
ウチの3階廊下から、正面に
黒姫山が見える。
その昔、旅行社で赤倉は“信州仕入れ”といわれ
新潟ではなく、長野の一部として扱われていた。
いらしたお客様から「え、ここ、新潟県なの?」という
お声もかなり聞かされた。
県庁も、長野県庁にいく三倍時間をかけ、新潟市に出向き
手続き等にかなり不便を感じる。
その度に、
どうせなら長野県になればいいのに、
という思いがあり、自身も新潟県にあまり愛着もなかった。
その思いが変わったのは、中越地震のとき。
県下のほぼすべての温泉地の旅館が結束し、
誘客行脚の出かけ、お互いを思いやり、
自身を励まし、新潟県民だからね!、という力で動いた。
晴れた朝に、ふと外を見ると、
すぐそこに優し気な黒姫山。
そこから続く信濃路をおもい、
長野やら、新潟やらより、この妙高山の麓、
おおらかな気持ちで、過ごす日々を
有り難く、愛おしく感じる今朝。
道路までが凍る、寒い長野の冬、
しんしんと降る雪に、生活路まで閉ざされる新潟、
そんな日本の冬を、楽しんでいただけるよう
フロント前の火鉢に炭を入れる。
今日も元気に、丁寧に。