皆様は、覚えておられるだろうか、
次の年は、無事卵を産んでくれた
よほどシャチョーの愚行にあきれたか
とうとう、翌年には帰ってこなくなってしまいました。
一昨年、昨年と、梅雨の時季ずっと従業員の冷たい視線を浴びながら
言葉にはしないが、無念の思いを抱えてきたシャチョーが
この3日というもの、
スキップしながらフロントにやってくる。
そう、
モーリーの声が、池から高らかに聞こえ出したのだ。
未だ姿は見えないが、ころころと心地よく響く高い声は
確かにモーリーのもの。
いつもはなんだか鬱々とする雨の日も
嬉しい嬉しい雨の日になった、香嶽楼の週末なの・デ・アール。
あれからウチの食卓に、虹鱒が乗ることは、
ない。