夜半から降り出した雪が
もう、70センチくらい、積もった。
お隣のお稲荷さんも、すっぽりと雪に埋もれ
鳥居の朱色がかすかに見えるだけ。
白狐は、じっと佇んでいるのか、
気配だけを空気にまとわせ、
その眼は、どこを見ているのだろう。
音もなく降る粉雪を、
喜んでいるのか、疎んでいるのか、
私には知る由もない。
山が静かに眠る冬、
守っているものは何であろう。