ようやく雪が消えたけれど、草木の萌えにはまだもう少し。
あちらこちら、残雪や裸ん坊の木々で
寒々しい景色のうちの周りだけれど、
よく目を凝らしてみてみれば、宝のやまがねむっている。
裏の杉の葉に埋もれているのは
タラの芽。
足元見れば、
ミントの子供。
大女将がのぞいている藪には
山椒の若芽。
山は確実に目を覚まし、
大きい息吹きを、生命あるもの達に
送っているのです。
宝のやまに気づいたとき、
本当の春が訪れるのです。