朝からイヤイヤ降っていた雪が
本格的になってきた。
玄関脇の池は、すっかり雪に覆われ
そこに存在するころすら、忘れられている。
でも、
私は知っている、
そこに、確かに存在する生命を。
じっと息を潜めて、水の底に沈んでいる
紅い金魚たち。
凍える闇のような、無音の世界で
なにを想っているのだろうか、
なにを夢見ているのだろうか。
しんしんと、雪が、降る。