もう、育てられんし、切ることにした。
あんたんとこの暖炉の薪に、してくれんかの。
と、
長野の自宅の庭で、りんごを育てていた
86歳の友人から電話があった。
もうすでに切り倒してあった木からは
緑の芽が出始めていた。
幹を池に入れてから4日目、
白い、可憐な花が咲いた。
ごめんね、
でも、じいちゃん、自分でがんばって切ったんだよ。
暖かい炎にしてあげるからね、と、
切り口をさわったら、陽に照らされたそこは
私の手と同じくらい、暖かかった。
遅い雪解け、
やっとお出ましの“雪下にんじん”、
妙高村の畑から御到着。
もちろん、生で!かじる!!
遙かな高み、雪を湛えた妙高の、大地と空の味がする。