ニッポンのドライフルーツ・干し柿。
大鹿村のおばちゃんたちは、冬の前の一仕事として
膨大な数の柿を剥き、そして、干す。
冷たい風に晒され、傾く西日に照らされ、
日に日に甘みをまし、白い粉をふき、出来上がったものは
自然の甘みとは思えぬくらい、まるで、蜜のよう。
「ほら、これで今年は最後だよ」と、手のひらに乗せられたそれは
おばちゃんたちの、しわだらけだけど、ぽったりとした手と
同じ日なたの香りがした。