昼はさすがに暑いけれど、
朝夕に吹く風には秋の匂いがまじる。
いもり池は睡蓮に蔽われ、
ひつじ草がケケケと鳴く声が聞こえそうな風情。
ぽちゃんという音にふりむけば
蒼い水かきと甲羅の残像。
暑さを避けて、水底に沈んでいたモノたちが
そろりと戻り始めたか。
池の外はススキの海。
誘い誘われ、気づけば宵に、高い満月を愛でる。