山の春一番の山菜。
包んであった新聞紙を開けると
むせるような山の春の匂い。
うーん、
さっとゆでておしたし、
塩昆布でまぶせば、酒のつまみ、
天麩羅は言わずもがな、
変わったところでミニトマトとイタリアンマリネ。
たっぷりあるから全部作って
こごみのフルコースにしましょうか?
Tちゃんは26年ウチに勤めた板前さんです。
諸事情で引っ越した先は柿崎という海の町。
そこで悠々自適の、趣味の畑作りをしていて
時たま自家製野菜を持って、お茶を飲みに来ます。
ここよりやはり暖かく、砂地の近くでできる野菜は柔らかく、
時季もすこーし早い。
今朝彼が持ってきたそれらは、まだ朝露に濡れていて
初摘みの野菜独特の、赤ちゃんのような初々しさ。
かすかに潮風の香りがした。